2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

洒落怖Part165より「名もない山の怪」

うちの実家の近くにあった、名前も付いていない低い山の話。山を歩いているとたまさか怪異に遭うと、みなには知られていた。夕方、犬の散歩をしていると、山の斜面に青白い炎がゆらめいているのが見えた。俺は即座に危険だと判断して道を引き返した。ふだん…

洒落怖Part221より「はじまり」

かれこれ十年ほど前のこと。横浜にあった内装工事屋で見習工のようなことをしていました。都内のあるマンションの洋間の改装工事の依頼が来ました。築年数はその当時で十年前後でしょうか、割と名のある通りに面したごく普通の外観でした。依頼された方は二…

洒落怖Part129より「希望を込めて」

ある登山者の日記より。 12月4日。この雪山に遭難して約24時間。 古い山小屋ではロクに暖も取れず、少々寒いが外で過ごす事は出来ない。 助けはすぐに来るに違いないだろう。12月6日。助けはまだ来ない。 この吹雪だから捜索が難航しているのだろう。 落ち着…

洒落怖Part171より「モシャモシャから救われる」

小学五年生だったころ、家族で川遊びをしていたときのこと。遊びに行った川は流れはゆるやかだがそこそこ深さがあった。四メートルくらいはあったと思う。橋の脚の近くはほかよりも深さがあり、流れも速くなるのでお気に入りの遊び場だった。潜って石を拾お…

洒落怖Part185より「聞いた話二題」

学生時代に教師から聞いて忘れられなくなった話がふたつ。中学の英語の教師が語った話。授業で英語を使った寸劇をすることになった。筋としては、朝を過ごしている家庭にその家の息子(娘)の友人が訪ねてきて、一緒に登校するというもの。いくつかのグルー…

洒落怖Part107より「おまわりさん」

俺の友人が会社で残業していたときのこと。遅くまで仕事をすることになった。もよおしたのでトイレの個室に入り、用を足した。クレーム対応をしたあとなので何となく気が抜けてしまったらしい。ぼーっとしていると、ふと、ある怪談を思い出した。『トイレの…

洒落怖Part273より「赤い光」

中学生のころ。塾通いをしていて夜の九時か十時まで塾にいることがしばしばあった。塾にはクラスメイトがいたが、特に交流があるわけでもなかったので、塾が終わったあとは自分はひとりで親が迎えに来るのを待っていた。塾の近くには町唯一のデパートがあっ…

洒落怖Part218より「ちょっと」

どこかで見つけてきた訳ではなく体験談です。東京に出たてのころ、親戚の家に間借りをしていました。間借りとはいってもタダで住まわせてもらうわけではなく、家賃を三万円払っていましたが。立地もよく、住まわせてもらってる部屋もそこそこ広いので満足し…

洒落怖Part276より「社長の指示」

二年前のこと。母は地元の葬儀場にパートとして働いていました。小さな会社だったので、社長が直接、パートの従業員に電話で指示を出すということがたびたびあったそうです。いつものとおり式のセッティングをしていたときのこと。母の携帯電話に着信があり…

洒落怖Part255より「こっちを見る子供」

高校二年生の時にサッカー部に新しく入った。体力作りや友達作りができたらいいなと思ったのだ。大学生なら二年時から新しいサークルに入るというのは珍しくはないのだろうが、高校で二年生から新しい部活を始めようというのはそうとう変わった例だろうと、…

洒落怖Part13より「臨月若妻殺人事件」

<臨月若妻殺人事件(未解決事件)>1988年(昭和63年)3月18日午後7時半すぎ。会社員の森山靖男(仮名/当時31歳)は仕事を終え、名古屋市中川区の新興住宅地にあるマンションの自宅へ急ぎ足で向かっていた。 自宅には当初の出産予定日が3月13日ですでに5日…

洒落怖Part154より「クリスマスの夜」

クリスマスなのにただ一人で過ごしていても悔しいというので、Y県の菊川にある酒造所に日本酒を買いに行った。あえて山道を行った。その方が気が紛れたからだ。鹿や猪を見る事も出来、多少は面白くなってきたところで車を停めて一服した。一服していると、足…

洒落怖Part188より「エラーメール」

<メール受信> From: Sub :  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 僕を見るな。 洒落怖Part188 - エラーメール

洒落怖Part274より「繰り返し」

俺が通っていた高校は宗教団体が創設した学校だった。それで、俺はなんやかやあって停学処分を食らった。一般的な学校なら自宅謹慎を命じられるところだが、俺のいた高校では学校にある教会で下働きをさせられるのだ。下働きの具体的な内容は、たとえば教会…

洒落怖Part34より「自殺の監視」

弟が見つけてきたアルバイトの話。弟が大学二年生だったころ、弟の友人のKが稼げるバイトを見つけてきたらしいのです。給料は五十万円。期間はひと月でした。場所は、海がきれいなことで知られている有名な観光名所です。内容は、崖にやってくる自殺志願者を…

洒落怖まとめ 怖い掲示板より「呉服屋の二階」

母が時折語ってくれる話。子供の頃に、母は両親に連れられて呉服屋に行ったんだそうだ。その呉服屋の建物は大きな木造で、一階から二階へと大きな階段が通じていた。店内は大勢の客で賑わっていたのだが、階段のうえを見やると、二階の方には人の気配がない…

洒落怖Part136より「身内でも怖い」

祖父が亡くなった日、本家から分家に電話が行った。「おじいちゃんがそっちに行くから絶対に家に入れちゃ駄目」分家の叔母さんが受話器を置くと同時に、家の窓が誰かに叩かれたように鳴り出したらしい。バンバン、バンバンと窓が鳴り続ける中、叔母さんは、…

洒落怖Part7より「手鏡の中」

何年か前の蒸し暑い夏の夜のこと。室外機の調子が悪かったのでクーラーを動かせず、仕方が無いのでベランダの窓を開けて寝付かれないまま本を読んでい たのです。生ぬるいとはいえ夜の風が流れ込んできたし、少し離れた場所にある街道の騒音もそれほど気には…

洒落怖Part125より「園児からの電話」

<コール音><コール音>「もしもしー」 「いちばん上のおねえちゃんですかー」 「いもうとかおとうとはいますかー」 「そうですかー。かわってくださーい」 「…そうですか…」<ガチャッ>洒落怖Part125 - 園児からの電話

洒落怖Part149より「家の中のストーカー」

三十八さいになる弟のことで相談があります。弟はもう七八年も定職に就かずに家にいます。以前から姉である私に対して幼稚な嫌がらせをしていたのですが、最近それがエスカレートしております。私の部屋と弟の部屋とは本来はひと続きの部屋ですが襖を閉めて…

洒落怖Part247より「下の住人」

アパートに住んでいるのだが、下の部屋の住人がときおり苦情を言いに来ることがあった。「てめぇ、ドスドスうるせぇんだよ!」 「体操でもやってんのか?眠れねえよ!人の迷惑を考えろ!」まったく心当たりがないので困惑していた。ある日、アパートに警察官…

洒落怖Part248より「パタ、パタ、パタ、パタ」

小学生のときのこと。両親と一緒に、伯母の家に泊まることがあった。祖母の法事だったのだ。当時はいわゆる「枕が変わると眠れない」たちであったので、床についてもなかなか寝付けずにいた。仕方なく、本を読むなどして眠気が来るのを待っていたが、結局は…

洒落怖Part24より「同居生活」

マンションの部屋で無理心中を見てしまった者です。あんなことが自分の部屋で起こったわけですが、自分は腹を決めて部屋に住み続けていました。幽霊よりも生きた人間のほうが怖い!とはっきり知っているつもりなので…。それから一年ほどはわりと平穏に過ごし…

洒落怖Part24より「主人を返して」

部屋でひとりぐらしを始めてから三日目のことでした。その日、私はお得意先のひとと一緒にお酒を飲んでいました。仕事が円満に終了したためです。めでたい席だったし、家に近いということもあって豊かな気持ちでお酒を飲んでいました。終電には間に合いまし…

洒落怖Part242より「シンクロする意識」

さっき実家の弟から電話があった。今すぐ窓を閉めろ。 友達を呼べ。 外に出るな。 すぐ俺もそっちに行くから。寝ぼけた声でそんなことを必死にがなり立てるので気圧されてしまった。弟の言うことにはまとまりがなかったが、整理するとこういうことらしかった…

洒落怖Part59より「Aの家の神様」

小学生のころ、団地に住んでいた。真下の階に一家が引っ越してきた。そこの家の子供とは友達になった。Aとしておく。Aは「うちの家には神様がいるんだ」とつねづね繰り返してきた。なんのことかが分からなかったので、親にそのことを問うたら、Aの家は妙な宗…

洒落怖Part101より「くる」

伯母(母の姉)はちょっとおかしい人でね、たまに「ときどき死んだ彼氏が私を呼ぶのよ」というような話を突然始めたり、そういう人だった。それで、伯母の娘が大学の入試に合格したっていうんで、親戚一同でお祝いの席を持ったんだ。そこで、伯母さんはまた…

洒落怖Part120より「ヤマダとサタケ」

去年の夏の話。あまりにも不気味だったので日付まで覚えている。八月十三日だ。友達のH美から携帯に着信があった。出てみると男の声がする。喪女の私に男との接点はない。どなたですか?聞いてみると、電話番号何番?などと意味の分からない返答をする。あな…

洒落怖Part44より「白いくねくね」

小学校四年生のときのことだったか。親戚が主催する水泳教室に参加した。子供達を集めて夏期合宿をしにいくというので、それに付いていったのだ。海辺の民宿に泊まって、海で泳いだり、魚を釣ったり、山を登ったり…。なかなか楽しくすごしていた。しかし、最…

洒落怖Part67より「『神は我とあり』」

イギリスで本当にあったことらしい。ある灯台の灯台守たちが皆揃って姿を消した。灯台を調べてみると、日誌が残されていた。日誌には奇妙なことが書かれていた。晴れの日が続いていたにもかかわらず、ひどい嵐に見舞われていると書いてあったり、「灯台守の…