洒落怖Part34より「自殺の監視」
弟が見つけてきたアルバイトの話。
弟が大学二年生だったころ、弟の友人のKが稼げるバイトを見つけてきたらしいのです。
給料は五十万円。期間はひと月でした。場所は、海がきれいなことで知られている有名な観光名所です。
内容は、崖にやってくる自殺志願者を監視する監視員をすることでした。
弟とKは、給料を山分けにしようと思い、二人で引き受けることにしました。
アルバイトの初日に、地元の観光協会の方から詳しい説明がありました。
崖の上には展望台とちょっとした広場とがあり、広場には平屋の監視所がありました。
監視所の床には跳ね上げ式のドアがあり、地下に通じていました。地下には八畳ほどの広さの休憩室がありました。そこで寝泊まりしてほしいとの説明でした。
部屋にはドアがあり、廊下に通じていて、廊下の突き当たりのドアを開けると洞穴につながっていました。洞穴には海水が流れ込んでいます。
崖の下は洞穴が空いていて、監視所は崖の上と洞穴とを一緒に監視できるようなつくりになっていたのです。…