2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

洒落怖まとめ 山怖 Part55より「山奥の信号」

小学校四年生の夏休みに、爺ちゃんのいる田舎の実家に帰って遊んでいたときのこと。山で遊んでいた。あるときに、ふと森の奥を見てみると、森の中に信号機が立っているのを見つけた。なんだろうか?確かめようと思って二、三歩歩いた直後のことだ。草むらが…

洒落怖Part227より「鐘の音」

荒れ果てていた。住職もいないようだった。 鐘楼らしきものがあったがそれは崩れ。 鐘楼の天井だったものの瓦礫の中に蒼褪めた鐘が見えていた。 廃墟散策をしてたわけでもなく。肝試しに行ったわけでもない。 免許取立ての友人が大学野球で成績をあげ、その…

洒落怖Part121より「裏世界」

あることをしたら世界が一変してしまったという記憶がある。小学五年生の夏休みのことだ。家の裏手にあるグラウンドに行って、自由研究の材料を探していた。「身近な昆虫リスト」を作ろうとしていたのだ。グラウンドのあちこちを探しているうちに、グラウン…

洒落怖Part192より「祠の中」

小学生のころ。両親が離婚するのに裁判をするということで、夏休みのあいだ、母方の実家に預けられることになった。実家の周辺は大した田舎だった。山と田んぼしかなかった。自然が豊かなせいで昆虫採集が楽しめたので、わりと楽しく遊んでいた。あちこちを…

洒落怖Part227より「できもの」

ある日、気が付くと首の付け根にできものができていた。最初は脂肪の塊か何かと思っていたが、しだいしだいに大きくなって、結局、親指くらいの大きさになった。触ってみるとぷにぷにとしていた。触っていると中に芯のようなものがあるのが分かった。できも…

洒落怖Part203より「やまわらす」

俺の郷里の実家は農家だった。牛なども飼っていた。小学二年生の夏休みのこと。実家に帰って遊んで過ごしていた。その日は牛に餌をやったりして何となく過ごしていた。すると、目の前をカブトムシが飛んでいくのが見えた。昆虫が好きだったので、捕まえよう…

洒落怖Part69より「ネコムシ」

都会の人には馴染みがないかもしれないが、俺の実家の周辺にはよくネコムシが出没した。体長は最大で4〜5cm。茶色の縞々のカラーリング。毛深くて以上にパンプアップした後ろ足。長い触覚。脅威の身体能力。大体あれは昆虫なのか?なんで羽がないんだ?しか…

洒落怖まとめ 不可解な体験 より「和製X-File」

友人がある公益法人に勤めているのだが、上司がかなり変わった人物だというので、その上司と友人と、酒の席をともにすることになった。その上司というのは、家柄などの関係で閑職に就けられていたらしい。そうはいっても、経歴としては、東大の法学部から法…

洒落怖Part3より「長谷川龍生」

詩人・長谷川龍生(りゅうせい)は当時静かな仕事場を探していた。そして世田谷区の某所に破格に安い一軒家があったので、そこを借りることにした。あまりに安い物件なので、なにかあるかもしれないとはうすうす予測していたらしい。だが、長谷川氏は天涯孤…

洒落怖Part278より「穴」

小学校五年生だったころだと思う。早朝に起きて、友達と一緒に雑木林にカブトムシを採りに行った。蜜を仕掛けた木に向かう途上で、友達が妙なところを見つけた。地面に穴が空いているのだ。興味本位で穴を掘り返してみると、穴は思っていたより大きく、奥ま…

洒落怖Part44より「目の端」

さっきまでバイト先のファミレスでシフトに入ってたんだけど。今日はなんだか調子が悪いなとは思ってたんだ。いつもやってるように仕事をしてるはずなんだけど、なぜかうまくいかない。いつもみたいに洗ってる茶碗はきちんとまとまらないし、コップをうっか…

洒落怖Part223より「ビジネスホテルの怪」

大阪国際空港近くのビジネスホテルに泊まったときの話。あの辺のビジネスホテルに泊まるときは注意してもらいたい。そのホテルに泊まったのは、翌朝のフライトに備えるためというだけの事だ。宿泊料金は安ければ安いほどよかった。インターネットで探して、…

洒落怖Part120より「つかない筈のテレビ」

電話やテレビにまつわる怪談・奇談は多いが、そのほとんどが、得体の知れないどこかに繋がってしまったというパターンを取ることが多い。便利である反面、コミュニケーションツールとしては直接的なものでないところに、人はうっすらとおそれを抱いているの…

洒落怖Part104より「叔父思いの姪」

年末の帰省時に姪を預かる予定だった。前年の帰省の時に土産を忘れたので、その代わりに五歳になる姪を一日預かったら、弟夫婦からひどく感謝された。姪と一緒にとっとこハム太郎の映画を見て、PHSにハム太郎の着信メロディーをダウンロードして一緒に聞いた…

洒落怖まとめ 時空の歪み Part11 より「オカルト桶」

小学校低学年だったころのこと。台所で洗い物をしている母にくっついて一人遊びをしていた。黙々と洗い物をする母。キッチンの流しには茶碗が積み重なっていて、流しの真ん中には桶が置いてあった。ふと、桶の中に動くものがあるのを見つけた。魚だった。水…

洒落怖Part274より「声」

学生だったころのこと。引っ越してから三ヶ月が経ったとき、大家が亡くなった。大家を相続した息子は立ち退きを要求してきた。俺はごねた。引っ越す金と時間がないのが主な理由だった。いろいろと揉めた挙げ句、俺は息子に条件を付けた。物件を紹介して、引…

洒落怖まとめ 時空の歪みPart4より「駅」

俺は電車に乗って帰宅していた。気が付くと、降りる駅のひとつ前の駅だった。もうすぐ着くな。そう思っていたら、次に着いた駅は、降りる駅のひとつ先の駅だった。…洒落怖まとめ 時空の歪みPart4 - 駅

洒落怖まとめ 怖い・不思議な話 Part2 より「時間差」

ある日、バイト仲間が遅刻してきた。あとで彼から聞いた遅刻の理由というのが不思議だった。彼の部屋のベッド脇には大きな鏡がある。目が覚めて、横になりながらその鏡の方に顔を向けた。すると、そこにはすやすやと眠る自分自身の姿が映っていた。…洒落怖ま…

洒落怖Part117より「嫌な夢」

俺は寝るときに、枕元にノートとペンを置いている。寝てる間に見た夢を書き留めておくためだ。これまで、さほど妙な夢を記録したことはなかった。夢のだいたいが、話の筋の通っていない、訳の分からない夢だ。しかし、このあいだ記録した夢は妙だった。「ぐ…

洒落怖まとめ 怖い・不思議な話 Part78 より「だるま」

幻覚だったと言われればそれまでだが、妙なものを見たことがある。高校生の時、通学中のバスの中からぼんやりと外を見ていたら、稲荷神社の前にだるまのようなかたちをしたものがいた。顔の部分が白くて、それ以外のところは錦のような綺麗な色をしていた。…

洒落怖まとめ 時空の歪み Part6 より「長い夢?」

ある月曜日のこと。会社で経理の仕事をしているのだが、凡ミスをしてしまい、それがさらにおおごとになった。数日のあいだ、各方面に謝りたおし、弁解も方々にし、フォローをするべく奮闘することになった。疲れ果てながら帰社した。霧雨が降っていた。細か…

洒落怖まとめ 山怖 Part58より「魅入られる」

花見の席で、上司のAさんに聞いた話。学生の頃、Aさんは吹奏楽部に所属していた。 山あいの小さな村にある学校だった為、敷地は狭く、部員は、裏山の山頂の休憩所のような所で練習をしていたそうだ。そこは桜の名所で3月の終わりともなれば提灯が飾られ、花…

洒落怖Part150より「出られない」

高校生のころ。俺は腸が弱かったため、たびたび下痢をしていた。だから、登校するときも早めに家を出て、通学路の途中にある公衆トイレに入ることにしていた。公衆トイレの個室には、いつも何人かの先客がいた。高校二年生だったある日のこと、お腹を下しそ…

洒落怖Part251より「二度寝の合間に」

あの日に起きたことはすべて夢だったのかもしれない。夢だったということにしておきたい。あの日、Aと、Bという友達と、夜通しでDVDを見ようということになった。それで三人でDVDを見ていたのだけど、わたしは翌日はアルバイトがあるからということで途中で…

洒落怖Part230より「鬼が来る」

1945年8月。中立条約をを破ってソビエト連邦が攻めてきたとき、じいちゃんは技師として中国で発電所を建造中だった。召集はなかったらしい。 当の発電所は、ほぼ出来上がっていたという。 「露助の鬼が来る」 当時はその噂で持ち切りで、日本人集落は震え上…

洒落怖まとめ 山怖 Part57 より「ぐはい」

ある山の猟師が、山中で子犬を拾ったそうだ。まだ目も開いていない子犬で、なぜか山の中にぽつんと置き去りにされていたそうだ。ちょうど猟犬が欲しかったので、その子犬を拾って育てることにした。しかし、その子犬は成長するにつれて見慣れぬ姿になってい…

洒落怖Part248より「井戸」

どうやら、俺の通っていた学校は、ずっと昔は城だったらしい。室町時代に作られた城で、堅城として知られていた。最後は、いまでは非常に名の知られている武将に攻められて落城した。城内にいた者たちは、落城後に辱めを受けることをよしとしなかった。武士…

洒落怖Part110より「髪寄りの法」

祖父は子供の頃、T県の山深い村落に住んでいた。村の住人のほとんどが林業を営んでいた。あたり一帯の土地を保有する地主は村落の片隅に大きな屋敷をかまえて暮らしていた。牧歌的な暮らしを営んでいた村落ではあったが、その村落にも、必ず守らねばならない…

洒落怖まとめ 時空の歪みより「修行の場」

あの世には役所のような施設があった、という記憶がある。その施設で、生まれ変わったあとの人生について説明を受ける。そのことについて納得できれば、また生まれ変わってこの世に生まれ落ちるという仕組みだった。あの世では、この世は自分を成長させる学…

洒落怖Part237より「盗まれた銅鏡」

私の母方の一族にまつわる話です。私の母方の家系はA県にあるM神社の宮司家の分家に当たる家系。分家をしたのは何百年も前のこと。分家したばかりのころは干拓をして土地を増やしていたそうだ。そのせいで、母方の家は大地主だった。戦後の農地解放政策で、…