洒落怖まとめ 時空の歪み Part9より「トイレの下の世界」


なにせ子供のことですから、「夢でも見ていたんだろう」ってのが常識的な判断だと思うんですが…。
…それでも映像としてはっきり記憶に残っている、「納得のいかない記憶」ってのがひとつだけあります。

当時、ぼくは両親の仕事の都合で、大阪府門真市の親戚の家に預けられていました。
七十年代前半頃で、親戚の家のトイレは、思いっきり汲み取り式でした。
便器の真ん中にぽっかり穴が開いていて、真下に汚物が見えるタイプ。
子供心に、臭いやら怖いやらですごくイヤだったのを覚えています。

ある日のことです。ぼくは外から遊んで帰ってきて、まっすぐトイレに直行しました。
このことからでも、少なくともこの事件?があったのが「真昼」だったのをわかっていただけると思います。
夜中に目が覚めて、とか、朝起きてすぐ、とか、そんな半覚醒状態ではなかったことだけは確かです。

きしみ音をあげる、木の扉を開けて、トイレに入ります。
たしか、便器にはプラスチック製の蓋がついていたと思います。それをどかそうとして、ぼくは異変に気づきました。
便器の内側が、妙に明るいのです。
中をのぞきこんで、あっといいました。便器の落し口の真下、2メートルくらいのところに、地面が見えるのです。

ええと、お分かりでしょうか?
普通、汚物しか見えない、真っ暗な空間であるべき便器の内側は、真昼の陽光に溢れ、そして眼下には、アスファルト舗装されていない、小石のちらばる地面が見えているのです。
あれえ?と思い、子供心にすごく悩みました。このままうんこ(すいません)しちゃっていいのかなーって。…

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