2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

洒落怖Part88より「増えるかご」

もう三十年前からの話。当時、俺は小学二年生だった。家の倉庫をあさっていたら、見たことのない綺麗なかごが出てきた。気に入ったので、学用品を学校に持って行くのに使った。すると、妙なことが起こることに気が付いた。学校から帰り、かごの中を見てみる…

洒落怖Part233より「箱の中身」

小学生のころ、幼馴染と近くの空き地で宝探しをして遊んでいた。奇妙な形をした石や、古めかしい土器の破片は見つかったものの、子供がときめくようなものは見つからなかった。撤収を考えていた矢先のこと。幼馴染が、みてこれ、と古い箱を持ってきた。札が…

洒落怖Part232より「通せん坊」

毎年、四月の上旬に北国海路を吹きすさぶ風のことを指して通せん坊風と呼ぶ。この名は岩手県花巻にある高松寺に所以があると言われている。むかしのこと。花巻に宗元というろくでなしの坊主がいた。素行が悪く、皆から嫌われていた。ある日、宗元が「我に大…

洒落怖Part165より「引越し先の怪異」

新しく部屋に越してきたのだが、時たま妙なことが起きる。ある日、夜中に目が覚めた。まだ暗いじゃないか、と思いながら布団の中でまどろんでいたら、枕元にある座布団がぼすっという音を立てて凹んだ。…洒落怖Part165 - 引越し先の怪異

洒落怖Part191-2より「時計回り」

冬の終わりに父の弟の息子、つまりいとこと小旅行をした。母方の家ではしょっちゅう人寄せやら家族旅行やらをしているが、父方の家ではそういうことをあまりやらない。父方の家系で親交のあるのはこのいとこくらいだ。そのいとこは神社めぐりが好きで、一人…

洒落怖Part146より「秋の夜長」

徹夜で試験勉強をしていた。うちの家の辺りは結構な田舎だから、秋になると虫の声がかしましい。ジージーだか、ガシャガシャだか、そういう虫の声が無数に起こり、やかましいくらいに感じる。その虫の声に紛れて、変な声がしているのに気が付いた。ウオォー…

洒落怖Part194より「凄い生き物w」

中学生の頃に老教師から聞いた話。自分が住んでいる土地は、未だにコンビニが建たないくらいの田舎だ。老教師が子供の頃などは、何もないと表現していいくらいの田舎であったらしい。子供の頃の教師は、農家の子供であったので、親から田んぼの見回りを日課…

洒落怖Part88より「混線」

その声は、男女の言い争いのように聞こえた。友人と電話で話をしていたら、ふと、友人以外の声が聞こえるのに気が付いた。ひとつは男の怒声、もうひとつは感情を押し殺したような声だった。声の主に呼びかけても返事はない。雷鳴が轟いたのを最後に、二人の…

洒落怖Part5より「タコ」

萩原朔太郎の詩に「死なない蛸」というものがある。蛸が飢えのあまり自らの脚を食べ始め、ついには自らを食い尽くしてしまうが、蛸の意識はその場に留まり続けるという内容の詩だ。…洒落怖Part5 - タコ

洒落怖まとめ 2ch板東京伝説より「最近知った」

近所に、少女のようなみなりをした老女がいる。腰まで届く白髪を三つ編みにして、チェックのプリーツスカートを履いている。小綺麗な身なりだし、とくに変な性格もしていないので、近所から孤立することもなく暮らしている。その老女について最近わかったこ…

洒落怖Part87より「鳶職人の事情」

鳶職人には昔から伝わる仕事の作法というのがあるらしい。そのことを、このあいだふとしたことで知った。近所を歩いていると、古くからある家を改築する工事をしていた。現場には熟練の鳶職人と、まだ若い鳶職人とがいた。熟練の職人は、若い職人にあれこれ…

洒落怖Part138より「用意周到」

おととしの夏、友人Aと一晩中遊んだときに、虫が多いので虫除けにアースレッドを焚いた方がいいという話になった。…洒落怖Part138 - 用意周到

洒落怖Part88より「スローモーション」

人が死に際した際には、一生の記憶の断片が次々に見える。これを指して走馬燈と言うが、この走馬燈という現象は、脳が過去の記憶から、生き残るために必要な記憶を探り出すために起きるという。例えば、ある人は厨房での作業中に、包丁を足下に落とした。足…

洒落怖Part89より「頭を抱え込まれる」

友達の家に泊まったことがあった。真っ暗な中、寝ていると、小脇に抱え込まれるような感じで頭を抱え込まれた。…洒落怖Part89 - 頭を抱え込まれる

洒落怖Part92より「自動書記」

高校生のときの話。今で勉強をしていたら眠気がきて、鉛筆を持ったままうつらうつらしていた。…洒落怖Part92 - 自動書記

洒落怖Part88より「何気にトラウマ」

いっとき、変な夢を見るようになった。深い水の底に沈んでいく夢だ。そのことを母親に話したら、「そんなこと覚えてたの?」と笑われた。…洒落怖Part88 - 何気にトラウマ

洒落怖Part94より「川を渡るおじさん」

高校生のときのこと。吹奏楽部に所属していた。夏に大きな大会があるので、夏休みにはほとんど毎日、学校に集まって練習をしていた。ある日、台風が日本に接近してきていたことがあった。さすがに今日は休みだろうと思っていたら、練習は行うとの連絡があり…

洒落怖Part88より「予感」

母の弟は幼い頃に亡くなったらしい。今になって思い返すと、亡くなる一ヶ月ほど前から、母の弟は帰りが遅くなりがちになったということだ。祖母は息子を叱った。「こんなに遅くなっちゃ駄目じゃないの」…洒落怖Part88 - 予感

洒落怖Part88より「出て行く親父」

そんなに珍しい話じゃあないが、俺には父親がいない。覚えているのは父親が出て行くところ。玄関でしゃがんで、なにか思い詰めたような顔をしながら靴紐を結んでいた。父さんは家を出て行くつもりで、もう二度と帰ってこないということは、子供心にも分かっ…

洒落怖Part89より「押入れの右下」

五年前、祖母のいる実家で起きたこと。祖母は少々、偏屈な質で、人を嫌い、近くに寄せ付けなかった。娘、息子達に同居を持ちかけられても頑として聞かなかった。それには理由があったらしいというのが今回の話だ。祖母は物を捨てられない質で、家には足の置…

洒落怖Part88より「拾ってきた大学ノート」

友人は、よくものをどこからか拾ってくる。よく拾ってくるのはビデオテープだ。何が映っているかが分からないのが面白いのだという。このあいだは、ぼろぼろの大学ノートを拾ってきた。中を見てみると、子供の言葉遊びのようなものが書いてあった。「暗い朝…

洒落怖Part95より「たまにあること」

一時期、消防士として勤めていたことがあった。もう時効だから書いてみようと思う。救急隊というのは三人一組で、機関員という救急車の運転手と、かなりベテランの隊員と、俺、という組み合わせでチームが編成された。初めて出動したのは真夏の夜のこと。午…

洒落怖Part89より「鍵」

机の引き出しの奥から鍵が出てきたが、何の鍵かどうしても思い出せない。…洒落怖Part89 - 鍵

洒落怖Part99より「クローゼットの中身」

同性の友達の家に遊びに行きました。友達と一緒に酒を飲みながらテレビを見ていました。自分の右手のほうにある壁にはウォークインクローゼットがあったのですが、どうもそこで何かがちらちらと動くような気がしてなりませんでした。その事を彼女に告げると…

洒落怖Part99より「天狗」

もう三十四、五年前かなあ、俺が七歳の時の事だから。俺は兄貴と二階の部屋に一緒に寝てて、両親は一階で寝てた。だいたいもう夜の九時には寝ていたんだけど、その日は妙に寝付けなくて。便所に行こうと思ったのね。その日は月がとても綺麗で、雲もなかった…

洒落怖Part102より「先回りする爺」

自分はマウンテンバイクで山沿いの未舗装道路などを走るのが趣味だある日、山を走っていたら、前方にお爺さんがいるのが見えた。ふらっとそこから出てきた、というような様子だった。すれ違うときに挨拶でもしていこうかなと思っていたら、そのお爺さんは上…

洒落怖Part203より「祭の悲劇」

弟から聞いた話。何年か前、近隣の祭の最中に事故があった。その祭は「山」と呼ばれる大きな御輿を皆で引っ張って街をねり歩く、威勢のいい祭だ。祭の最中に、酔っぱらった女がふらふらと山の前に歩いてきた。そして、あっと思う間に、女は走ってきた山と壁…

洒落怖Part103より「無人のブランコ」

深夜になって、レンタルビデオを返しに行くことにした。高架下にある公園の横を通り過ぎようとしていた。時間も時間ということもあり、人通りは無かった。…洒落怖Part103 - 無人のブランコ

洒落怖Part95より「ヒグマの被害者」

日本の歴史で最大の獣害は、北海道で羆が起こした事件。この事件以降も、北海道各地で熊害は起き続けた。北海道開拓の大きな障害ともなった。北海道をバイク旅行したときに、泊まった旅館の主人から聞いたのは「だから、熊には気をつけろ」ということだった…

洒落怖Part102より「不思議な距離感」

去年、友達と一緒にキャンプに出かけたときのこと。テントを張るのにいい場所はないかとみなで川沿いを歩いていたところ、女の人がすごい形相で近付いてきた。何かと思うと、「そこにひとの死体がある」という。…洒落怖Part102 - 不思議な距離感