私の母方の一族にまつわる話です。
私の母方の家系はA県にあるM神社の宮司家の分家に当たる家系。
分家をしたのは何百年も前のこと。分家したばかりのころは干拓をして土地を増やしていたそうだ。
そのせいで、母方の家は大地主だった。戦後の農地解放政策で、農地を多く失ったとはいえ、それでも十分に広い土地を持っていた。
母方の家には先祖より代々伝わる品物が数多くある。景徳鎮の白磁、屏風、書画、刀剣、簪、櫛など。
そのなかに、細工の凝った銅鏡があった。これは一種の呪物であるらしく、厳重に封がされた箱に収められ、神棚の隠し戸に隠されていた。…
洒落怖Part237 - 盗まれた銅鏡