洒落怖Part273より「赤い光」
中学生のころ。塾通いをしていて夜の九時か十時まで塾にいることがしばしばあった。
塾にはクラスメイトがいたが、特に交流があるわけでもなかったので、塾が終わったあとは自分はひとりで親が迎えに来るのを待っていた。
塾の近くには町唯一のデパートがあって、その屋上には遊具やメダルゲームの器具があったりして、地元の子供達の遊び場になっていた。
ある夜のこと。いつものように親を待っていると、デパートの方に目が行った。すると、屋上から赤い光が出ていることに気が付いた。
火事だと思った。クラスメイトに「あそこ火事だよね?燃えてない?」と声を掛けると、ふたりともほうけたような顔をして屋上の方を見て、視線をはずした。
そして、何事もなかったかのようにおしゃべりを続けたのだ。…