洒落怖Part278より「埋めた井戸」


もう二十年来連絡を取っていないですが、かなり前に勤めていた道路舗装作業員の人で、通称を「春さん」という大先輩がいました。

その春さんが語ってくれた井戸についての話です。

春さんが道路舗装の仕事を始めて五年ほど経ったときに、ある仕事が舞い込んできました。
仕事の内容は、一般客のご自宅の裏を駐車場にするために舗装してほしいというもの。
春さんは会社の親方から任されて、数人の作業員を連れて現場に向かいました。
舗装は順調に進みましたが、土地の一角に小さな古井戸がありました。
井戸については聞いていませんでしたが、サービスだと思い、砕石を井戸に放り込んで埋めてしまいました。

春さんはその日、四十度の熱を出し、その後一週間身動きが取れなくなりました。
その土地の舗装作業は仲間に代わってもらったのですが、その仲間は工事が終了した翌日に事故に遭って複雑骨折で全治六ヶ月の状態となりました。…

洒落怖Part278 - 埋めた井戸