洒落怖Part45より「叩かれるドア」


仕事で地方行く用事が出来て、時間の関係で前の晩に新幹線乗って一泊することになったのね。

で、同僚と話してるときに予約したホテルの名前言ったら「お前知ってる? そのホテルってさあ」とか話し出して、
そいつはその手の話大好きで俺すっげえ臆病だから絶対聞きたくなくて、
「バカやめろよ言うなよ。言ったら殺す」って慌てて遮って、そのときは聞かずに済んだんだけど、
でもそいつのお陰でホテル着いた後も妙に気味悪くって。

どうせ一泊しかしないんだからさっさと寝ちまおうと思って布団入ったんだけど、
俺くらい臆病な奴なら分かると思うけど、そういう時って一回恐いって思ったら終わりなんだよね。
寝るのも起きるのも身動きするのも嫌でもう朝になるの待つしかない。

そんで布団の中でいろいろ考えて、何故かそのときは死ぬのが異様に恐かった。
ずっと死ぬことばっかり考えて、いやだ、恐い、死にたくねえ、でもいつか死ぬ。誰か助けてって。
もう本気で寝るの諦めてどっかの飲み屋でも行って時間つぶそうと思い始めたとき、

ドンドンドンドン!! って。

部屋のドア叩いてるんだよ。心臓止まんなかったのが不思議なくらいビビッた。

ドンドンドンドン!!

幽霊? 火事? 知り合い? なんか事故でもあったのか。

とりあえす電気点けて、でもドア開けるのは恐くて、「なんですかー?」って答えてみたら
叩く音はピタッとやんで。

そのまましばらく身構えてたけど何にも言ってこない。
もう寝れる状態じゃない。財布と電話確認して、なんとなく身支度して(寝巻きだけど)
ベッドの上に起き上がってじっとなんか待ってた。

しばらくしたら、

ドンドンドンドン!!

ってまた叩く音がして。…

洒落怖Part45 - 叩かれるドア