洒落怖Part275より「隠し部屋」


小学生のころ、友達のあいだで探検がはやっていた。林や用水路、廃墟などを探しては皆で探検をした。
慣れてくると、子供ながらに凝り始め、服装は蚊や害虫を避けるために肌の露出の少ないものを、埃対策にマスクの着用を、はぐれたときのサインとして笛を、それぞれ備えるなどしていた。
俺たちは、六年生屈指の探検チームだった。

今回のターゲットは空き家だった。線路沿いの広い空き地の隣にぽつんとある空き家で、長らく人の気配がないようだった。
友達のAくんの熱心なプッシュで、その空き家を探検先に選ぶことになった。Aくんによると、別のチームがその空き家の表面にあるベニヤを剥がすことに成功したのだが、そのときにそのチームのメンバーが怪我をしてしまい、そのせいで一時撤退をすることになったのだそうである。
そのおかげでわれわれは労せずして空き家を探索できると、そういうことだった。…

洒落怖Part275 - 隠し部屋