洒落怖Part294より「顔を覆う少女」


高校二年生の時の話。

夏休みのある日、俺と友人たち(A、B、C)は、唐突にキャンプに行こうと思いついた。
Cの親戚がキャンプに最適な河原を知っているとのことだったので、話を聞いて、皆でそこに向かった。

しかしどこをどう間違ったものか、話に聞いていたのとは別の河原に出てしまった。
ただ、その河原も充分にキャンプが出来そうな場所だったのでそこキャンプを張った。

夕方までにはある程度、準備が出来た。おのおの適当にそこら辺をぶらぶらしていたら、AとCが戻ってきて「なんか祠みたいなのがある」と言った。

すこし先の対岸に祠が確かにあった。その祠は奇妙であった。
祠は円柱形で屋根は丸かった。遠目には祠には見えるのだが、近くで見ると何か違う物のようにも見える。
そして、よく観察してみると、祠の根本にはまだ萎れていない花が置かれていた。つい最近に人が来ていたのだ。
祠はかなり苔むしていたので、掃除とかがされている様子はないのに変だとは思ったが、誰もそれ以上は興味を示すこともなく、とりあえず晩飯の準備をしようということでみなでキャンプの場所に戻った。

その夜のことだった。…

洒落怖Part294 - 顔を覆う少女