洒落怖Part304より「深夜の話し声」


おとといこういう体験をした。

明くる日は休みということで、灯りを消して夜中までゲームをしていた。
時間は三時前後だったと思う。突然、ぼそぼそとした人の声が聞こえてきた。
声はどうやら外から聞こえてくるらしかった。近所に不審な人物の心当たりもない。

となれば、泥棒か。自衛のために携帯電話と木刀を持ってきた。

相手の動向を知るために、自分は聞き耳を立てた。
声は聞き取りづらいが男性の物とも女性の物とも思えるものであったため、相手は男女二人組で土壇場になって何か言い合いをしてるのだろうか、という推測をした。

しかし奇妙なことに気がついた。
相手の位置を掴むため声がする方向に注意を払っていたのだが、声は自分の部屋の周囲を回っていた。
自分の部屋の周囲を回るためには家の周囲を大回りしなければならない。こんなに規則正しく部屋の周囲を回ることは人間には不可能である。
「あ、これ幽霊とかの類だわ」と気がついた自分は…。…

洒落怖Part304 - 深夜の話し声