洒落怖Part157-1より「車椅子に座るモノ」


俺は生まれつき視力が弱かった。子供の頃に入院して手術をしたのだが、その時の話だ。

大きい病院じゃないと手術が出来ないということで、近くにある病院じゃなくていくらか遠くにある大きめの病院で手術をした。

手術は無事に終わったが、術後に何日か入院することになった。これが心細かった。

昼間は優しい看護師さんが話に付き合ってくれたりしていたが、夜になると本当に誰もいなくなる。寂しくて仕方がない。

消灯時間を過ぎたあとっていうのは本当に真っ暗なんだ。

そんなときにトイレに行きたくなった。部屋を出て、暗い廊下を歩いていた。

そうして、他の病室の前を通り過ぎるときに電子音を聞いた。ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、という規則的な電子音だ。…

洒落怖Part157-1 - 車椅子に座るモノ