洒落怖まとめ 不可解な体験Part74より「ナガモノ」


二年くらい前に九州に旅行に行ったときの話。

あいにく天気は曇りで、ときどき小雨がぱらついたりしていたけど、ちょうど七五三の時期だったから、晴れ着姿の子供があちこちにいっぱいいてほほえましかったのをよく覚えている。

昼過ぎ頃にある水源に着いて、入場料を支払って門をくぐった直後、視界の左側におかしなものが見えた。

ものすごく長い、犬のような生き物だった。
雨のせいで川の水量が少し増えているにも関わらず、その川と同じくらいの太さがある胴体に、視界に収まりきらないくらい長い身体。

私の視線の先には、ちょうど人の身体と同じくらい太い足があって、犬が伏せのポーズをしているときのように足を折りたたんでいるような感じだった。

訳が分からなくて、目を見開いたままその生き物の頭の方に視線をずらしたら、その生き物は頭をゆっくりと動かしてこちらを向いた。

そして、瞬きをしたら、見えなくなった。

その後、無性に泣きたくなって、三十分ほどベンチに座って泣いていた。

その日から、寺に行ったり仏像を見たりすると、火傷をしたみたいに身体が痛くなるようになった。…

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