洒落怖Part157-1より「ヤマノケ」


一週間前の話。

娘を連れてドライブに行った。宮城と山形の県境にある山の中だ。娘を脅かそうと思って、舗装されていない脇道にどんどん入っていった。

娘が制止するのが面白くて調子に乗って進んでいたら、急にエンジンが止まってしまった。さてどうするか、エンジンについての知識はない、携帯電話もつながらない、どうしたものかと思ううちに日が暮れてしまった。

夜の山は静寂そのものだった。それだけにその声ははっきりと分かった。

思い出しても気味が悪い。「テン…ソウ…メツ…」と繰り返していた。

最初は気のせいだと思ってやり過ごしていたんだけど、音がどんどん近づいているような気がして、とうとうたまらなくなって音の方を見たんだ。…

洒落怖Part157-1 - ヤマノケ